「コムギ博士の1分豆知識」Vol.14ではきたほなみの話をご紹介。全国で料理教室・パン教室を展開するホームメイドクッキング公式サイト。

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Vol.14きたほなみの話

今回はきたほなみの話です。

国内作付面積1位の小麦はうどんに最適な「きたほなみ」

「きたほなみ」は、現在日本でもっともたくさん作られている小麦の品種です。小麦の国内作付面積1位の品種は、10数年で入れ替わっており、平成8年まではチホクコムギ、平成22年まではホクシンで、その後、きたほなみが1位になっています。国内の小麦は、半分以上が北海道で作られており、これらの品種はいずれも北海道の主力品種でした。イネでは、皆さんご存知のコシヒカリが30年以上1位を続けているので、とても対照的です。この違いの原因の一つは、ブランドに対する意識の違いでしょう。お米の場合、品種がわかる形で粒そのものが袋詰めにされて売られていますが、小麦は、粉やさらに加工されたパンや麺などの形で売られているので、品種の違いが見えにくいのでしょう。

きたほなみは平成18年に北見農業試験場により品種登録された、うどん用の小麦です。収穫量が多い、麺の色がきれいなどの優れた形質をもっています。また、北海道で問題となる収穫前の雨で穂についたまま種が発芽してしまう「穂発芽」に対しても強い抵抗性をもっており、栽培者や麺生産者から高い評価を受けています。品質でいうと、これまで日本のうどんに最適とされてきた豪州産のASWという輸入小麦に匹敵するとされています。きたほなみは、北見72号と北系1660という2つの品種の小麦を交配し、その子孫を選抜して育成されました。最初の交配は平成7年に行われたので、育成されるまでに10年以上の歳月がかかったわけです。交配してもいい品種ができない場合もあるので、育種というのは非常に根気のいる仕事なのです。なお、きたほなみの育成チームは、その成果が認められ、平成26年度の日本育種学会賞を受賞しています。

畑で育つ「きたほなみ」

筆者:笹沼恒男
2015.7